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東京オペラシティ オペラ「リナルド」 [オペラぁ!]

リナルド.jpg「リナルド」は、
バロックの作曲家ヘンデルが、
26歳の時に作曲したオペラ。
ドイツに生まれ、
イタリアを経てイギリスに渡って初めて発表した作品。
1711年にロンドンのヘイマーケット女王劇場で初演、
15日間もの公演となる大成功を納めました。

十字軍の騎士リナルドと将軍の娘アルミレーナとの、
戦争を背景とした恋と別れと再会の物語。
今回はBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)の演奏により、
演奏会形式で上演されました。

アリア「私を泣かせてください」が有名なオペラですが、
舞台上25人程のオーケストラの前で、
演技演出衣装もなく順番に散文詩を演奏に乗せて歌うこのオペラは、
視覚的状況説明がない事もあってストーリーが掴みにくく、
およそ3時間にも及ぶ上演時間は苦行に近いものがあります。
カウンターテナーを4人も揃えなければならないこの贅沢なオペラを、
古楽器による演奏で上演するのですから、
どうせなら、
字幕もなくして聴かせるだけにした方が良かったのではないかと思わせるものでした。

そしてキャストも、
今年5月に新国立劇場で上演された「ポッペアの戴冠」に近い顔ぶれで、
ダミアン・ギオン、森麻季、レイチェル・ニコルズ、上杉清仁と松井亜希が同じキャスト、
そしてBCJの演奏も同じでした。
「ポッペアの戴冠」では演奏会形式ながらオーケストラはピットに入り歌手は暗譜で、
背景に字幕が自由に漂うというシュールな舞台でしたが、
今回の「リナルド」は完全な演奏会形式。
オーケストラは舞台上で演奏し歌手はスコアを手にして歌います。
視覚的楽しみは少ないですが、
演出がない分音楽に集中出来るのと、
聞き慣れない古楽器の演奏を目で確認出来ます。
フラウト・トラヴェルソというバロックの木管フルートの乾いた音色や、
アーチリュートというリュートにギターがくっ付いたような通奏低音楽器など、
見慣れない古楽器の音をはっきり認識できて、
バロックの素朴で味わいのある演奏だけでも十分楽しめる上、
コンサートマスターの激しいヴァイオリンソロや、
長大かつ狂ったようなチェンバロの早弾きなど、
随所に見せ場も配されていて、
ヘンデルの聴衆を引き付ける技と、BCJの技術の高さを感じました。

約1600席がほぼ満席だった東京オペラシティコンサートホールは、
箱型の木質系の床壁天井でオーケストラの演奏はよく響きます。
しかしながら歌手の歌声をはっきり聴くには残響が長く、
ピラミッド型に折上げられた吹き抜けの天井を声が飛び回っているように聴こえます、
カウンターテナーの澄んだ歌声が響き渡るのは美しく聴こえますが、
オペラには向かないかも知れませんね。


2009年12月6日 オペラ「リナルド」

指揮:鈴木雅明
会場:東京オペラシティコンサートホール

<キャスト>
リナルド:ティム・ミード(カウンターテナー)
アルミレーナ:森 麻季(ソプラノ)
アルミーダ:レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
アルガンテ:萩原 潤(バリトン)
ゴッフレード:クリストファー・ラウリー(カウンターテナー)
ユスタチオ:ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
マーゴ・クリスティアーノ:上杉清仁(カウンターテナー)
シレーナ1:松井亜希(ソプラノ)
シレーナ2:澤江衣里(ソプラノ)
アラルド:中嶋克彦(テノール)

<管弦楽>
バッハ・コレギウム・ジャパン(Bach Collegium Japan,orchestra)
コンサートマスター:若松夏美
トランペット:島田俊雄・齋藤秀範・村田綾子・狩野藍美
ティンパニー&パーカッション:菅原淳
リコーダー:向江明雅
フラウト・トラヴェルソ:菅きよみ・前田りり子
オーボエ:三宮正満・森綾香
ヴァイオリンⅠ:若松夏美・竹嶋祐子・山内彩香・山口幸恵
ヴァイオリンⅡ:高田あずみ・荒木優子・木村理恵
ヴィオラ:成田寛・深沢美奈
チェロ:鈴木秀美
コントラバス:今野京
ファゴット:村上由紀子
アーチリュート:野入志津子
チェンバロ・オブリガート&オルガン:鈴木優人


タグ:ヘンデル
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