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新国立劇場オペラ研修所「ドン・ジョヴァンニ」 [オペラぁ!]

無題.jpg新国立劇場オペラ研修所のオペラ試演会は、ピアノ2台とチェンバロ1台の演奏で、小劇場で行われました。

演目は、G.ガッツァニーガの「ドン・ジョヴァンニ」、ドン・ジョヴァンニといえばモーツァルトですが、その前年に発表されていた作品で、モーツァルトは、これを元にポンテの台本で作曲しました。

聴いてみると、何だかモーツァルトのような曲調、モーツァルトが当時の時代の流れと作風を取り入れた、という事のようです。ただし、ガッツァニーガ版はモーツァルトのような軽やかな旋律は少なく、重唱もあまりありません。ドン・ジョヴァンニをバリトンではなく、テノールが歌っている所も違っています。

ストーリーはモーツァルトの物とほぼ同じ。
騎士長の娘の部屋へ忍び込んだ色男ドン・ジョバンニは、
騎士長を殺してしまいます。
復讐を誓った娘と婚約者ですが、
ドン・ジョヴァンニは反省どころか、
更に放蕩を続け、
最後は騎士長の石像に地獄へ引きずり込まれていくという内容です。

ガッツァニーガ版ドン・ジョヴァンニの配役は、
ドン・ジョヴァンニ、ドンナ・アンナ等は同じですが、
レオッレッロはパスクワリエッロ、ツェルリーナはマトゥリーナ、
マゼットはビアージョと名を変え、
それに、ドン・ジョヴァンニの誘惑相手にドンナ・ヒメーナ、
飲み屋の主人ランテルナが加わります。

歌手は研修生の18期から20期生。
幕開けはレポレッロ的パスワリエッロ役の伊良波良真19期生、
床下から板を開けての登場で、
胡散臭そうな三枚目的個性も発揮し、
最初は頼りなかったバリトンも徐々に力強くなっていきました。

ドンナ・エルヴィーラは18期生のソプラノ砂田愛梨。
女声陣では断トツの歌唱力と演技力、
20期生との2年の差が歴然としています。
飲み屋の主人は17期生の水野秀樹が賛助出演、
更に先輩の貫禄を観せます。

騎士長役の永見健一郎、オッターヴィオ役の濱松孝行等、
総じて男性陣が個性を発揮して舞台を盛り上げました。

女声ではドンナ・アンナは20期生のソプラノ斉藤真歩が有望か。

そして演出は久恒秀典。
2015年のオペラ研修所公演でも演出しましたが、↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2015-02-21
簡素な装置で創る知的な舞台に感心します。
舞台には扉の付いた壁が2枚だけですが、
照明の効果で変幻自在にシーンを転回します。
ドン・ジョヴァンニの女遍歴を綴った「カタログの歌?」では、
パスクワリエッロが遍歴をリストにした巻物を扉から扉へと何重にも引き伸ばし、
ドンナ・エルヴィーラがその長さを呆れて眺めるというものですが、
リズム感のある気転の効いた演出で秀逸です。

ピアノ2台の演奏は小劇場には馴染みもよく、小気味よく響きました。
舞台でファゴットやリュート、コントラバスを、
歌手がフリで演奏する演出がありましたが、
音がピアノだったのはちょっと残念でした。


スタッフ
【指 揮】河原忠之(オペラ研修所音楽主任講師)
【演 出】久恒秀典(オペラ研修所講師)
【ピアノ】石野真穂、髙田絢子(オペラ研修所講師)
【チェンバロ】岩渕慶子(オペラ研修所常任コレペティトゥア)
 
キャスト
 【ドン・ジョヴァンニ】 荏原孝弥
【ドンナ・アンナ】 斉藤真歩
【ドンナ・エルヴィーラ】 砂田愛梨
【ドンナ・ヒメーナ】 平野柚香
【騎士長】 氷見 健一郎
【オッターヴィオ公爵】 濱松孝行
【マトゥリーナ】 十合翔子
【パスクワリエッロ】 伊良波良真
【ビアージョ】 野町知弘
【ランテルナ】 水野秀樹

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