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新国立劇場 オペラ「魔弾の射手」 [オペラぁ!]



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ウェーバー作曲の魔弾の射手は1821年ベルリンで初演。

長い板をつないでジャバラ状にして立てた2枚の壁を
変幻自在に操ってストーリーを展開していくマティアス・フォン・シュテークマンの新演出。

抽象的な壁はシーンに合わせて森の木々であったり、
山や谷を表現していたりして、
それが奥だったり手前だったり、時には動いていたり、
常に舞台のどこかに配置されています。
深遠な深い森が演出のテーマなのでしょうか?

狼谷のシーンではその板に囲まれた階段が地獄の谷に下りる雰囲気を出していて、
こうもりの影やら階段を這い回るタランチュラのような大蜘蛛のリアルな動きに加え、
動く壁と不気味な照明、PAを使った音響効果もあって、
緊迫感のある薄気味悪さが十分表現されていて、
時代設定や解釈を変える事なく、
現代らしい演出の手法で新鮮味のある舞台を作り上げていました。

キャストの配置も散漫にならないように、
コーラスをぎゅっと端に寄せて中央に空いた空間を作ったり、
構成もメリハリのあるものでした。
去年の3月に新国立劇場で上演された、同じくシュテークマン演出による、
ワーグナーの「さまよえるオランダ人」より締まりのある舞台になっていたと思います。

「ドイツのドイツ人によるドイツ人のためのオペラ」第一号だそうですが、
演出もドイツ人、主演歌手等もドイツ人で、
なるほどドイツらしい舞台になっていたと思います。

アガーテ役のエディット・ハッラーは、
その天使のような美しい歌声で、
たっぷりした劇場空間の木質の壁や天井を震わせ、
間合いに心地よい余韻を残していました。
そしてエンヒェン役のユリア・バウアーも、
オペラ歌手とは思えないすらりとした立ち姿に個性的な演技で目が離せません。
どこまでが地で、どこまでが演技なのか?
他の役所も観てみたいところです。

衣装のひびここづえは「さまよえるオランダ人」に続く登用ですが、
シュテークマンの指名だったのでしょうか。
ザミエルの衣装など子供向けアクションドラマのキャラクターのようにも見えましたが、
多少の違和感も、新鮮といえば新鮮と思えるものです。
隠者役の妻屋秀和 は、
3日前にNHKのテレビ番組で「ドン・カルロ」の、
背中の曲がった宗教裁判長役の名演を観たばかり、
今回も妙に胡散臭くも親しみのある、出番少なく重要な役で楽しめました。
「ラ・ボエーム」では元気な青年役コッりーネも演じていましたが・・・。
今回は白い浴衣風の衣装に、
りんごに被せてある白いネットのようなものを羽織っていて笑えましたが、
悪の象徴ザミエルの赤と対象させているようです。

指揮のダン・エッティンガーは、
テンポの良い若さあふれる優等生的な指揮でしたが、
もう少し角が取れると更に良くなりそうです、
今後に期待したいです。


幕間の劇場ホワイエでは、
窓外の池の対面壁に今後の演目PRが、
プロジェクターで投影されていましたが、
いやおうなく目に入ってくるCMに、
舞台の余韻が掻き消される思いです。
いったいどういうつもりなのか理解に苦しみます。

ステージノートがカラーになって、
こちらは、サービス向上で評価できますが、
チケット料金もなんとなく上がってきているようにも思います。


2008年4月10日 新国立劇場 オペラ 魔弾の射手 (DER FREISCHÜTZ)

C.M.v.ウェーバー (Carl Maria von Weber)

【指 揮】ダン・エッティンガー(Dan Ettinger)
【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン(Matthias von Stegmann)
【美 術】堀尾 幸男(Horio Yukio)
【衣 裳】ひびの こづえ(Hibino Kozue)
【照 明】沢田 祐二(Sawada Yuji)

キャスト
【オットカール侯爵】大島幾雄 (Oshima Ikuo)
【クーノー】平野忠彦 (Hirano Tadahiko)
【アガーテ】エディット・ハッラー (Edith Haller)
【エンヒェン】ユリア・バウアー (Julia Bauer)
http://www.julia-bauer.com/
【カスパール】ビャーニ・トール・クリスティンソン (Bjarni Thor Kristinsson)
【マックス】アルフォンス・エーベルツ (Alfons Eberz)
【隠者】妻屋秀和 (Tsumaya Hidekazu)
【キリアン】山下浩司 (Yamashita Koji)
【花嫁に付き添う四人の乙女】鈴木愛美、田島千愛、高橋絵理、中村真紀
【ザミエル】池田直樹 (Ikeda Naoki)

【合 唱】新国立劇場合唱団 (New National Theatre Chorus)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 (Tokyo Philharmonic Orchestra)


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コメント 2

euridice

こんにちは。
女声二人は本当に役柄にぴったり合った雰囲気で、素敵でした。
by euridice (2008-04-19 20:45) 

keyaki

私は、あの鹿の角がくっついていたり、妙なアップリケのある衣裳、好きじゃないですけど、演出家の指名か、劇場側が決めているのか、どっちなんでしょう。オランダ人の時よりさらに子供っぽくなってましたね。
by keyaki (2008-04-21 01:30) 

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