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二期会 オペラ「ワルキューレ」 [オペラぁ!]




ワーグナーの「ニーベルングの指環」4部作のうち、
第2話のみを取り上げた東京二期会の公演、
上野の東京文化会館でPM6時に開演、終演は10時30分でした。

舞台をいっぱいに使ったモノトーンのステージは、
45度に振られた四角形の床の1つの頂点が、
オーケストラピットにせり出しています。
四角形の左にはガジュマルにしか見えないトネリコの木、
右には縦長の四角い壁、
中心に1本スリットが切ってあって赤く光っていますが意味不明。

舞台の奥半分は上下する幕と引き分ける幕で、
そのスペースの大きさをシーンによって自由に変えていきます。
オーソドックスとも斬新とも言えないジョエル・ローウェルス氏の演出は、
暗く、ゆっくりと展開していき、途中集中力が切れる所も度々ありましたが、
深遠なワーグナー作品の音楽への配慮による控えめの演出だったのでしょうか。

しかしこの作品、
人の生死をつかさどるわがままな神や、
神の子同士の近親相姦など理解に苦しむ所や、
支離滅裂に聞こえる所もあったり、
愛と勇気を詩的な歌詞に乗せて歌っていても、
その音楽は、
饒舌と言うよりはストイックな感じで、
何度か観て味わいを深めたいと思える作品でした。

今回のキャストで一番引かれたのは、
双子の妹ジークリンデ役の橋爪ゆかさん。
虐げられた少女の役を、
思わず手を差し伸べたくなるような仕草で演じ、
かと思えば、ソプラノの美しく震える高音には生命力を感じる力強い迫力もあり、
耳から入ってそのまま心に届くほど感動的でした。

神の子供達ワルキューレはサテン地の衣装に羽根を付け、
妖精のような美しさでしたが、
どうにも重たそうで動きも鈍い場面では、
なかなか感情移入もしづらいところもありました。

神の妻フリッカ役の小山由美さんは、
1月の「サロメ」と似た役どころでしたが、
動きが軽やかすぎたサロメの時より断然良かったです。
同じ1月に「ナクソス島のアリアドネ」を指揮した飯森泰次郎氏は、
今回も緻密な指揮ぶりでしたが、
初日という事もあってか、
いくらかオーケストラがギクシャクしているように感じました。

11時近い終演後、そうそうに引き上げようと、
劇場ホワイエからロビーに向かうと、
人が渋滞、
携帯電話のカメラを持ち上げている人が何人もいたので、
迷惑な有名人がいるのかといくらか憤慨しながら横にそれると、
ほんの1メートルほど先を、
数人のSPに囲まれて、皇后の美智子さまが控え目な笑顔でまわりに挨拶しながら、
ロビーの袖に抜けていきました。
「皇居かぁ、家が近くていいなぁ!」


2008年2月20日 東京文化会館 二期会 「ワルキューレ」

指揮 : 飯守 泰次郎  
演出 : ジョエル・ローウェルス     
衣裳 : 小栗 菜代子   
照明 : 石井 リーサ明理   
演出助手 : 飯塚 励生 
舞台監督 : 小栗 哲家   
公演監督: 曽我 榮子 多田羅 迪夫    
 
CAST
ジークムント : 成田 勝美
フンディング :  長谷川 顯
ヴォータン  : 小森 輝彦
ジークリンデ :  橋爪 ゆか
ブリュンヒルデ :  横山 恵子
フリッカ  : 小山 由美
ゲルヒルデ : 渡海 千津子
オルトリンデ :  江口 順子
ヴァルトラウテ :  磯地 美樹  
シュヴェルトライテ :  橋本 啓香
ヘルムヴィーゲ  : 津山 恵 
ジークルーネ :  庄司 祐美
グリムゲルデ :  金子 美香
ロスヴァイセ :  西館 望 
   
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団
タグ:ワーグナー
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